まとりょちゃんとなみだのはな


あるところに、マトリョーシカがいました。
なぜそこにいるのか、
いつからそこにいるのかは誰もわかりません。
ただわかるのは、
なにか悲しいことがあったのかなぁということだけ。
マトリョーシカの表情は泣いているのでした。



あるところに、おんなのこがいました。
ちいさなちいさなおんなのこ。
マトリョーシカのいる場所に、
ひとり迷いこんできました。
そのおんなのこも、なぜか泣いているのでした。



おんなのこは、
マトリョーシカのとなりにすわって泣きました。
マトリョーシカも、
となりにすわっているおんなのこといっしょに泣きました。
ふたりの涙が地面にたくさんこぼれました。
たくさん、たくさん…。



すると、
涙がこぼれた地面がむくむくとうごきだしました。
その地面から芽がでて、
くきがのび、葉がそだち、おおきな花がさきました。
マトリョーシカもおんなのこも、
いままでに見たことがないとてもおおきくてきれいな花。



その花を見ておんなのこはわらいました。


『おはながさいた。なみだのおはながさいたのね。』


おんなのこはとなりを見ました。
マトリョーシカの表情はわらっていました。
それを見ておんなのこはもっとわらいました。



ふたりはいっしょにわらいました。
ふたりの笑顔がたくさんこぼれました。
たくさん、たくさん…。







やっとできたよー。
昨日の夜寝ながら考えてみました。
ぼんやりしてるなんとなくな話が、
なんとなく伝われば、なんとなく満足です。